「魔物退治、がんばってね!」
先日仲良くなった、この村の少女。
母親と2人でこの村で暮らしているらしい。
「はい、これ!お守り!」
「みんなを守ってね!」
小さな手のひらから渡された四つ葉のクローバー。
それを握りしめながら。
魔物の拠点に足を踏み込む。
「っ…!!」
「ふはははは!勇者くん!かかったな!」
高笑いするのはこの山の魔物を束ねるヘビ首領。
「お前等がここに来ている間に、私の部下を村に放った!」
!!
魔物のアジトは山の奥深い。
ここから村までは走っても1時間はかかるだろう。
「くくく…今頃村は火の海に…ん?なんだ?」
ぱたぱたと、ヘビ首領の元に音を鳴らしながら飛んでくる物体。
「今取り込み中だ…せっかくいいところなのに…えっ?」
どうやら使い魔からの通信らしい。
「村に入れない…?」