俺が彼女に堕とされるまで

「はい、オタクくんあーん♪」

 

急に連れてこられたこの島で。

今、俺の目の前にいるこの”彼女”の名は日葵ひまり

 

この学校を卒業するまでの「暫定的な彼女」である。

 

日葵ひまりとこうして昼食を取るのがここに来てからの日課だ。

 

──俺には、好きな子がいるのに。

告白する、その直前だったというのに。

 

「いいんですよ、オタクくん」

 

彼女は俺にそう優しく微笑む。

 

「私は、オタクくんが誰を好きでも…想いは変わりませんから」

 

その笑顔に疑問を持ちながらも。

徐々にそれが、心地よく。

 

彼女がそこにいること。

それがあって当たり前のように感じるようになってきていた。

 

俺の心の中に。

彼女の指先が徐々に入り込んできていることに。

 

──この時の俺は微塵にも気付いていなかった。

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