おねえちゃん界に呼ばれて

「なに、強くなりたいだと?」

「いいだろう、弟くん」

 

「私が、鍛えてやるとしよう」

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異世界夢想見聞録

「勇者くん、こちらをどうぞ」

 

お姫さまから受け取ったのは、チョコレート。

どうやらこの世界でもバレンタインはあるらしい。

 

「ねぇ、勇者くん。今日は何の日か、知ってる?」

 

なにやらご機嫌な魔法使いちゃん。

そして、その手にあるもの。

ハート型のそれは推定ほぼチョコレートだろう。

 

「あれ?勇者くん、その荷物はなに?」

 

…!!

 

魔法使いちゃんの目は笑っている。

──しかし。

 

「そうだよね、勇者くんには私がいるのに」

 

「私以外から貰ってるわけないもんね?」

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おねえちゃん島

「今日からここが、君の住むおうちよ」

 

お姉さんに手を引かれて。

ぼくは新しく住む家の門をくぐった。

 

よくわからないけど、少子化…?とかいうので、最近は子供の数が激減しちゃったらしくて。

特に男の子の数が凄く少なくて、ぼくも同級生の男子はぼく以外に1人しかいなかったんだ。

 

だから男の子は、一定の歳になると親元を離れて、女の人の家に住まなきゃいけないんだって。…なんでだろう?

 

「私のことは、おねえちゃんって呼んでくれると嬉しいな」

お姉さんは、ぼくに目線をあわせながら優しく微笑んだ。

 

「弟くんって呼んでいい?」

「私ね、弟がずっと欲しかったの」

 

姉乃えおねさん。

今日からこの人と、ぼくは一緒のおうちで生活する。

 

えおねさん…じゃなかった。

おねえちゃんはとても優しかった。

 

親と離れてちょっと不安だったけど。

これなら、なんとかやっていけそう!

 

 

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