近所に住む年上のお姉さん。
──俺の、昔からの憧れの人。
優しくて、きれいで。
──でも。
俺が知っていたのは。
──彼女の一面だけに過ぎなかった。
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たろきちのHPだよ
「はいよ、山菜ラーメンおまち!」
ガハハ、と豪快に笑いながら接客をする女性。
この宿屋を1人で切り盛りしている女店主だ。
特に理由もないが、今日も綺麗ですねと褒めてみた。
「あらやだ勇者くんったら、こんなオバサンにお世辞だなんて」
店主は、豪快に笑いながらドリンクをおまけしてくれた。
その夜──。
コンコン、とドアを叩く音がする。
──誰だろうか。
魔法使いちゃんでないことは確かだ。
彼女なら、ノックなんかしないで入ってくるだろう。
お姫さまか…?
いや、彼女ならそれどころか──あらかじめ布団に入り込んでくるはず。
元・魔王もこの時間ならもう寝ているはずだ。
おそるおそるドアを開ける。
──そこにいたのは、宿屋の女店主だった。
「勇者くん…昔の…主人に似てるのよね…」
「お久しぶりです、オタクくん」
「私のこと…憶えていますか?」
急に連れてこられた島で。
俺は、彼女と出会い──
「私は…オタクくんのことを…」
「ごめん…俺…好きな子に、告白しようとしてて。そうしたら急にこの島に連れてこられて──」
「そんな…オタクくんには…もう…好きな人が…?」
──ごめん。本当にごめ…
「──かまいません」
…え?
──彼女は笑っていた。
ただし、その目は肉食動物のように。
鋭く──そして。
「必ず、私のことを好きにさせてみせます」
こうして、彼女の手による。
──俺が堕とされるまでの、カウントダウンが始まった。
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