異世界夢想見聞録

「勇者くん、こちらをどうぞ」

 

お姫さまから受け取ったのは、チョコレート。

どうやらこの世界でもバレンタインはあるらしい。

 

「ねぇ、勇者くん。今日は何の日か、知ってる?」

 

なにやらご機嫌な魔法使いちゃん。

そして、その手にあるもの。

ハート型のそれは推定ほぼチョコレートだろう。

 

「あれ?勇者くん、その荷物はなに?」

 

…!!

 

魔法使いちゃんの目は笑っている。

──しかし。

 

「そうだよね、勇者くんには私がいるのに」

 

「私以外から貰ってるわけないもんね?」

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異世界夢想見聞録

魔王との戦いを終えた勇者くんと魔法使いちゃん。

 

「ねぇ、勇者くん」

「これからのことなんだけど」

 

期待に満ちた表情と共に、距離を寄せてくる。

 

しかし、勇者くんは彼女に言わなければならないことがあった──。

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異世界夢想見聞録

ついに魔王の元へ辿り着いた勇者くん。

 

「クックック…待っていたぞ勇者くん」

 

禍々しい邪気を纏ったその影。


──そう。

この旅の目的。

 

相対する宿命の相手”魔王”である。


「無駄話はいい。さぁ始めるとしよう」


今、ここで。

長き旅路は終わりを迎えるのか──?

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