「勇者くん、こちらをどうぞ」
お姫さまから受け取ったのは、チョコレート。
どうやらこの世界でもバレンタインはあるらしい。
「ねぇ、勇者くん。今日は何の日か、知ってる?」
なにやらご機嫌な魔法使いちゃん。
そして、その手にあるもの。
ハート型のそれは推定ほぼチョコレートだろう。
「あれ?勇者くん、その荷物はなに?」
…!!
魔法使いちゃんの目は笑っている。
──しかし。
「そうだよね、勇者くんには私がいるのに」
「私以外から貰ってるわけないもんね?」