妄想彼女日誌

「卒業するまで」

「君が誰とも付き合わないなら」

 

あの日。

二人で交わした約束。

 

オタクくんは約束を守った。

彼女もまた、約束を守った。

 

そして。

二人の関係はその時から変わらずにいた。

 

──はずだった。

 

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おねえちゃん島

年が明けるその6時間ほど前。

弟くんは、お姉ちゃんと団欒の時間を過ごしていた。

 

「弟くん、初詣は…」

 

お姉ちゃんは弟くんと初詣に行く気満々であった。

そのための準備も、事前に済ませていた。

 

しかし──。

 

「え…?友達と…?」

 

お姉ちゃんの空気が一瞬にして変わったのを弟君は察知した。

 

「お姉ちゃん、弟くんと一緒に行きたいなぁ…」

 

 

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妄想彼女日誌

女子達から笑われ、一晩中泣いて朝を迎える。

 

「どうしたの?目が真っ赤よ?」

 

ゴミ出しのために外へ出ると、声を掛けてきたのは隣に住んでいる女の人だった。

 

なぜこんな顔になっているのかを、彼女に説明する。

大の男が情けない話だが、それでも彼女は笑うことなく話を聞いてくれた。

 

「そうなんだ。でも、落ち込むことはないと思うの」

 

彼女は優しく、俺に向かって微笑む。

 

身体のラインがくっきりとわかる服装に、目のやり場が困りつつも。

 

「よかったらこの後、私の家でお茶して行かない?」

 

この世間話を自分から切ることはできなかった。

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