おねえちゃん島

「今日からここが、君の住むおうちよ」

 

お姉さんに手を引かれて。

ぼくは新しく住む家の門をくぐった。

 

よくわからないけど、少子化…?とかいうので、最近は子供の数が激減しちゃったらしくて。

特に男の子の数が凄く少なくて、ぼくも同級生の男子はぼく以外に1人しかいなかったんだ。

 

だから男の子は、一定の歳になると親元を離れて、女の人の家に住まなきゃいけないんだって。…なんでだろう?

 

「私のことは、おねえちゃんって呼んでくれると嬉しいな」

お姉さんは、ぼくに目線をあわせながら優しく微笑んだ。

 

「弟くんって呼んでいい?」

「私ね、弟がずっと欲しかったの」

 

姉乃えおねさん。

今日からこの人と、ぼくは一緒のおうちで生活する。

 

えおねさん…じゃなかった。

おねえちゃんはとても優しかった。

 

親と離れてちょっと不安だったけど。

これなら、なんとかやっていけそう!

 

 

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おねえちゃん島

「弟くん、弟くん」

「ねー、ちゃんと風呂入ってる?」

 

女子達が、ニヤニヤしながら話しかけてきた。

「入ってるよ」

 

「弟くん姉ちゃんと風呂はいってんのかよー!」

 

笑う女子達。

しかし、その笑いは一瞬だけであった。

 

「うん。お姉ちゃんと毎日入ってるもんねー、弟くん♪」

 

──お姉ちゃんが、現れた。

 

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おねえちゃん島

年が明けるその6時間ほど前。

弟くんは、お姉ちゃんと団欒の時間を過ごしていた。

 

「弟くん、初詣は…」

 

お姉ちゃんは弟くんと初詣に行く気満々であった。

そのための準備も、事前に済ませていた。

 

しかし──。

 

「え…?友達と…?」

 

お姉ちゃんの空気が一瞬にして変わったのを弟君は察知した。

 

「お姉ちゃん、弟くんと一緒に行きたいなぁ…」

 

 

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