異世界夢想見聞録

「魔物退治、がんばってね!」

先日仲良くなった、この村の少女。

母親と2人でこの村で暮らしているらしい。

 

「はい、これ!お守り!」

「みんなを守ってね!」

 

小さな手のひらから渡された四つ葉のクローバー。

 

それを握りしめながら。

魔物の拠点に足を踏み込む。

 

「っ…!!」

 

「ふはははは!勇者くん!かかったな!」

高笑いするのはこの山の魔物を束ねるヘビ首領。

 

「お前等がここに来ている間に、私の部下を村に放った!」

 

!!

 

魔物のアジトは山の奥深い。

ここから村までは走っても1時間はかかるだろう。

 

「くくく…今頃村は火の海に…ん?なんだ?」

 

ぱたぱたと、ヘビ首領の元に音を鳴らしながら飛んでくる物体。

 

「今取り込み中だ…せっかくいいところなのに…えっ?」

 

どうやら使い魔からの通信らしい。

 

「村に入れない…?」

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妄想彼女日誌

「これはなに!?オタクくん浮気したでしょ!!」

 

彼女の怒号が部屋に響く。

 

「ひどいよ!!結婚しようって言ったのは嘘だったの!?」

 

今、この場でするべきこと。

それは、一刻も早く彼女の機嫌を直すことだ。

 

「え…?オタクくん…?」

ぎゅっと彼女を抱きしめる。

 

「私も…オタクくんのことは…好きだよ…?」

彼女の耳元で、気持ちを囁く。

 

「でも…うぅぅ…そんな言葉で…」

 

あと一押し。

ならば。

 

──これを、使う時が来た。

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俺が彼女に堕とされるまで

「はい、オタクくんあーん♪」

 

急に連れてこられたこの島で。

今、俺の目の前にいるこの”彼女”の名は日葵ひまり

 

この学校を卒業するまでの「暫定的な彼女」である。

 

日葵ひまりとこうして昼食を取るのがここに来てからの日課だ。

 

──俺には、好きな子がいるのに。

告白する、その直前だったというのに。

 

「いいんですよ、オタクくん」

 

彼女は俺にそう優しく微笑む。

 

「私は、オタクくんが誰を好きでも…想いは変わりませんから」

 

その笑顔に疑問を持ちながらも。

徐々にそれが、心地よく。

 

彼女がそこにいること。

それがあって当たり前のように感じるようになってきていた。

 

俺の心の中に。

彼女の指先が徐々に入り込んできていることに。

 

──この時の俺は微塵にも気付いていなかった。

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